2008年9月26日金曜日

家族紹介

 先日、娘が通う保育園から、「家族紹介」の原稿依頼があった。保育園の週報に毎回1家族ごとに掲載されているものである。自己紹介に代えて、以下に示す。(保育園の娘中心の紹介となっています。)


家族紹介(松崎家)  
 今から5年前、次女・三女は双子として誕生した。「第2のまなかな」を夢見た両親の期待通り、2人は貧血を疑われるほどの白い肌に包まれていた。ただ一つ気になったのは、次女3333g、三女3290gと少々重すぎることだった。「おれのように育ってしまうのか。」4200gで生まれた父は、少しせり出した腹に目をやった。「いや待て、長女は4000gで生まれて『巨大児』と母子手帳に記入されたほどだったのに、今では同じ年の子と比べて小さい方だ。双子もきっとそうなるだろう。」しかし、周囲の願いもむなしく、2人はすくすくと父そっくりに成長していった。近頃では、体重が3才上の姉にあと1kgと肉薄し、目ではなく、あごが二重になってきた。頭の大きさは姉を超えた。そうそう頭の大きさといえば、2人がまだ母のおなかにいたとき、あまりの頭の大きさに、「これは母親が糖尿病に違いない。」と担当医師に思わせたことがあった。もちろん母子共々身体に異常はなかった。最初から父親のように育つことは決まっていたのだ。2人は「まなかな」から「ザ・たっち」に近づいてきた。「なんで、なんでなんで」そうだ。見た目じゃない、人柄が大切だ。明るい子にしよう。「鼻の穴ふくらまし」の芸を身につけさせた。これは、母秘伝の芸である。おもしろ顔も特訓した。厳しい訓練に耐え、三女はなかなかの顔をするようになった。「ものを大切にする子」にも育ってほしい。しつけの結果、2人は床にこぼれた牛乳をすすって飲むまでになった。「ちょっと、ちょっとちょっと。そこまでやらなくてもいいのに」そう考えながら、父は、床に落ちた団子を口にしていた。「時と場合に応じて行動できる、判断力を持った子」になってほしい。次女は、食べ物が1人ずつ別々に配膳されているときはゆっくりと食べ、大皿にまとめてあるときは、ものすごい早食いをする技を身につけた。このような2人の一番の取り柄は、その「元気さ」である。生まれてことかた大きな病気をしたことがない。何を食べてもおなかを壊さない。消化器が丈夫なのも父親譲りである。「胃腸(いちょう)姉妹」と呼びたくなるほどである。虫歯が一本もないのも自慢である。指しゃぶりが原因で、少し出っ歯なのが玉に傷ではあるが。声も大きく、おしゃべりが止まらない。車でどこかに出かける際も、3人姉妹のかしましさのため、両親は唯一の夫婦の会話の機会を奪われつつある。父は真剣に「うるさい。だまれ。」と大人げないしかり方をしたことが何度かある。一瞬はしーんとなる車内も、2・3分後にはまた元通りのにぎやかさである。「なかなか親の思い通りには育たないものだなあ。丈夫に成長してくれたらそれでいいか。」自分に言い聞かせながら、次の家族紹介の方にバトンたっちすることにしよう。

 最初この原稿を示したとき、娘の担任から、「長すぎるので短くしてください。」と依頼があった。
実際週報に掲載されたものは、この半分程度の長さのものになった。

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